
毎日4本の論文を最初から最後まで読んでいるのに、それでも追いつけない気がする。大学院1年目によくある経験です。これは根性の問題ではありません。2010年の時点で、医学分野だけでも1日に約75件の臨床試験と11件のシステマティックレビューが発表されていました [1]。それを全部通して読める人はいません。
上手に読むとは、すべてを読むことではありません。論文の中で自分の問いに答える部分を、正しい順番で読み、どこでやめるかを知っていることです。
問いを起点にした読む順番
- タイトルと要旨(2分)。 自分の問いに答える論文か、方法の参考になる論文か、背景にすぎない論文か。読み進める前にどれかを決めます。
- 図と表(5分)。 主要な結果はたいてい1つの図か表にあります。本文より先に、図表とそのキャプションを読みます。
- 方法を選んで読む(5〜10分)。 誰を対象に、主要な変数をどう測定し、どんなデザインだったか。結果を信頼し比較できるかを判断するのはここです。
- 限界(3分)。 自分の研究にとって最も役立つ段落であることが多く、リサーチギャップを直接見つけられる場所でもあります。
- 序論と考察は必要なときだけ。 その論文が自分の論証の中心になる場合に読みます。
背景にすぎない論文なら、ステップ2で読むのをやめて構いません。論証の柱になる論文なら、最後まで読み通します。大事なのは、意識して決めることです。
論文に直接問いかける
tlootoでは、質問に論文を添付して直接聞くことができます。主張、方法、限界を抜き出したり、一緒に添付したほかの論文と比較したりできます。一度に最大10ファイル、1ファイルあたり20 MBまで添付でき、PDF、DOCX、HWP、スプレッドシート、BibTeX、RISファイルに対応しています。
最初に使うと便利なプロンプト:
- アウトカムとして正確には何を、どのように測定したか?
- 組み入れ基準と最終的なサンプルサイズを挙げて。
- 著者はどんな限界を述べているか。そのうち [別の論文] との比較に影響するのはどれか?
- 主要な結果を効果量とともに1文で要約して。

回答は、読むことの代わりではなく、どこをじっくり読むかを決めるために使ってください。ある論文が自分の論証の中心になるなら、その方法のセクションはやはり自分で読んでおきたいところです。
残しておく価値のある論文は、ライブラリに保存しましょう。アップロードしたPDFは自動でライブラリの参考文献になり、その引用情報はチャットやプロジェクトで再利用できます。
参考文献
[1] Bastian, H., Glasziou, P., & Chalmers, I. (2010). Seventy-five trials and eleven systematic reviews a day: How will we ever keep up? PLoS Medicine, 7(9). https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1000326